Letter to Students [Ⅹ]

Letter to Students Ⅹ：

　　菓子はシグナル源である水の含量が少ないので、MRIで内部
形態を観ることが難しいサンプルである。

① 小さなパイ：準チョコレートは、強いシグナルを与えた。
　　　　また、生地に含まれた油脂がシグナル源。
② スナック菓子：エビ殻に吸着した油脂がシグナル源。
③ クッキー：中間のクリーム様物質は含水量が高いし、
　　　　油脂も多い。クッキーの部分は油脂がシグナルを与えた。
④ ホームメイドケーキ：生クリーム、チャツネ、バター、
　　　　チョコレート、が強いシグナルの源。水分含量は27.7%。
⑤ ロールパン：シグナル源は低水分デンプンゲルに
　　　　運動性を強く束縛された水。水分含量は32%。
⑥ カステラ：水分含量は23%であるが、かなりの量の油脂を
　　　　含んでいる。それでもシグナルは非常に弱かった。

　このようなサンプルを高磁場型MRIで測定することは難しく、測
定法の工夫と高速磁場勾配を必要とするが、低磁場型MRIで測
定してみたら、通常の測定法でイメージが得られた。低磁場型
MRIにおいては、シグナルの減衰が著しく緩やかになるためであ
る。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〔研究員〕　　　　　　



参考文献：　　小泉他　(2008) コンパクトMRIと水分の少ない食品－パンと菓子類. 「食品工業」51(4):39-49.